ニーズが強く、比較的取りやすい資格!『危険物取扱資格』とは
ガソリンスタンドは業務上、ガソリンや軽油、灯油などのいわゆる「危険物」と定義されるものを扱います。そのため、特にガソリンスタンドででは乙種・4類、通称「乙4(乙四)」と呼ばれる資格の保有者は、優遇されるケースが非常に多くなっています。ここでは、危険物取扱者について、特にガソリンスタンドとの関連で見ていきたいと思います。
■危険物取扱資格とは
一般財団法人・消防試験研究センターのHP(https://www.shoubo-shiken.or.jp/kikenbutsu/index.html)によると、「一定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱う化学工場、ガソリンスタンド、石油貯蔵タンク、タンクローリー等の施設には、危険物を取り扱うために必ず危険物取扱者を置かなければいけません。」とあります。つまり、業務上、消防法で定義される危険物を扱う施設については、そうした「危険物取扱者」が必ず必要になるのです。
危険物取扱資格者には下記のような種類があります。
(1) 甲種
全種類の危険物を取り扱うことが可能です。一定期間の実務経験があれば危険物保安監督者と呼ばれる”全ての危険物取扱い作業において保安の監督業務”を行うことも可能です。
(2) 乙種
第1類~第6類に分かれ、甲種とは異なり、扱える種類の危険物に制限があります。取り扱える危険物の範囲は、
第1類)塩素酸塩類、過塩素酸塩類、無機過酸化物、亜塩素酸塩類、臭素酸塩類、硝酸塩類、よう素酸塩類、過マンガン酸塩類、重クロム酸塩類などの酸化性固体
第2類)硫化りん、赤りん、硫黄、鉄粉、金属粉、マグネシウム、引火性固体などの可燃性固体
第3類)カリウム、ナトリウム、アルキルアルミニウム、アルキルリチウム、黄りんなどの自然発火性物質及び禁水性物質
第4類)ガソリン、アルコール類、灯油、軽油、重油、動植物油類などの引火性液体
第5類)有機過酸化物、硝酸エステル類、ニトロ化合物、アゾ化合物、ヒドロキシルアミンなどの自己反応性物質
第6類)過塩素酸、過酸化水素、硝酸、ハロゲン間化合物などの酸化性液体
となっています。甲種と同じく、一定期間の実務経験があれば、取得した種類の危険物の取扱い作業においてのみ危険物保安監督者を勤められます。
(3) 丙種
ガソリン、灯油、軽油、重油など、一部の危険物のみを取扱うことが可能です。丙種は一定期間の実務経験があったとしても、危険物保安監督者になることができません。
上記のうち、乙種第4類の取り扱いが可能な危険物取扱者が、ガソリンスタンドでは特に必要とされています。
■危険物取扱者資格を取得するメリット
資格の内容によって少し異なりますが、大きくは、①必須の業務があり就ける仕事がある、②資格取得手当など優遇されやすい、というところでしょう。
① 必須の業務があり就ける仕事がある
こちらの記事で紹介しているように、乙種4類の資格を取得していると、ガソリンスタンドでは非常に重宝されます。慢性的に人材不足でもあるため、乙4があるからこそ、ガソリンスタンドでの仕事に就けた、という方も決して少なくありません。ガソリンスタンドでは引火性液体の知識が必要になります。セルフ型のガソリンスタンドでは、顧客自らによる給油作業または容器への詰め替え作業の監視等をするため、にコントロールブースを設けており、危険物取扱者が事務所内からモニター越しに遠隔監視することで、有資格者の立会いの下で危険物を取り扱っているという形になります。
また、他には、危険物を移送する際のタンクローリーの運転手などもあります。運転手は本来、危険物取扱者でなくても構いませんが、危険物取扱者が同乗する必要があり、実際のところは、危険物取扱者資格を有する者がタンクローリーを運転することが多いようです。
また、「危険物保安監督者」という仕事もあります。こちらはなかなか耳慣れないかもしれませんが、危険物の取扱作業において保安の監督業務を行う仕事です。危険物施設保安員を置く製造所等では、危険物施設保安員へ必要な指示を行い、危険物施設保安員を置かない製造所等では、法令で定める業務を行います。このように、資格を保有しているからこそこうした仕事に就業できる可能性が高まります。
② 資格取得手当など優遇されやすい
化学メーカーやガソリンスタンド等の企業では、有資格者を確保する必要があるため、資格保有者には、基本給の他、別途資格手当が支給するケースなどがあります。ガソリンスタンドでも時給がアップするケースも有、メリットは大きいと言えるでしょう。また、就業時に危険物取扱者の資格を有していなくても、のちに合格した場合、報奨金として一時金を支給する企業もあります。
■危険物取扱者資格を取得するには
危険物取扱者試験は、いわゆる難関資格、というわけではありません。比較的簡易に取得場目指せる資格です。
プロセスとしては、一定の勉強をしたうえで、都道府県ごとに実施される試験を受験し、合格する必要があります。日程は全国各県で異なり、統一ではありませんが、年間に各県で複数回行われることが多いようです。
受検手数料は受検する資格内容によって少し異なりますので、試験日程や受験料などを、チェックしてみると良いでしょう。
■乙4資格の必要なガソリンスタンドの仕事を探そう
ガソリンスタンドスタッフとして働くに当たり、乙4資格を取得しているとメリットがあることをご理解いただけたと思います。もちろん、未経験者も歓迎しているガソリンスタンドは多々ありますので、資格を持っていない方もご安心ください。
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